巡回指導と監査

巡回指導と監査

巡回指導がお済みになった事業者様もいらっしゃる事と思いますが、これからの事業者様はA~EのうちA.B.C.判定で乗り切ることが出来るのか不安だと感じられている事業者様も多いのではないでしょうか?
巡回指導は7区分38項目でチェックされ、5段階で判定されます。巡回指導で低評価D.またはE.になってしまうと行政処分になる可能性もありますので、問題なく済ませたいものです。こちらのページでは巡回指導が来る前に必要な確認と対策についてご説明してまいります。









1,巡回指導と監査

巡回指導と監査を比較すると、下表のようになります。
行政指導的な性格を持つ巡回指導は、事業運営について改善のお願いですが、監査は➀指導したが改善が見られなかった➁悪質な法令違反が認められる③社会的影響の大きい事故を起こした事業者に対して行われ、行政処分の対象となるこもあります。


巡回指導は、適正化事業実施機関が行いますが、各都道府県のトラック協会が実施機関に指定されており、巡回指導結果を運輸支局(国土交通省)に報告する義務がありますので、指導と言えど行政処分に繋がりかねない非常に重要なものです。
もしも改善指導を受けたときは、どこをどのように改善すればよいのか具体的なことを指導員に聞くとよいと思います。



巡回指導と監査の違い

巡回指導 監査
実施機関

トラック協会
(適正化事業実施機関)

運輸支局
国土交通省・厚生労働省 合同で行われる場合も

実施時期
間隔

2年に1回程度
(評価により異なります)

不定期
事前通知

あり
(2~3週間前)

不定期
所要時間 約3時間 数日間
行政処分の有無 なし あり






監査の種類

種類 内容
特別監査 社会的影響が大きい事故、特に悪質とみなされる違反を起こした事業者に行われます。一般監査のように重点事項を定めて行われるものではなく、全般的な法令順守状況を確認する監査で事前通告なく突然行われることが多い。
一般監査

重点事項を定めて行われる監査。基本的には事前通告なく行われる。
巡回指導の評価D.E.の事業者。

街頭監査 事業用自動車の運行状況や実態を確認するため、該当で、事業者を特定せず行う監査。旅客運送業で行われることが多い。

2,巡回指導について

巡回指導のチェック項目は7区分38項目あり、下表の赤文字9項目は重要項目になり、9項目中1つでも否がある場合、A.~E.のランクが1段階下がりますので、他の項目以上に重要と言えます。巡回指導時に改善依頼を受けたときは、指摘事項について改善を図り、巡回指導日より2ケ月以内に文書で回答を報告する必要があります。


結果の報告は必ず必要で、報告がない場合には改善報告が届かない事業者として運輸支局への報告されます。





【巡回指導の判定】

大変良い 良い 普通 悪い 大変悪い その他
A B C D E その他
100%~90% 90%未満   適35以上 80%未満   適31以上 70%未満   適27以上 60%未満   適23以上 指導項目が26項目以下

70%未満の場合
DまたはE評価を受けた事業者は、半年毎の巡回指導が入ります。
DまたはE評価が3回続く場合、行政処分の対象になります。





巡回指導のチェック7区分38項目

区分 項目番号 項目 補足事項
1,事業計画等 主たる事務所及び名称位置に変更はないか
営業所に配置する事業用自動車の種別及び数に変更はないか
自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか
乗務員の休憩・睡眠施設の位置・収容能力は適正か
乗務員の休憩・睡眠施設の保持、管理は適正か
届出事項に変更はないか(役員・社員、よく丁事業者に係る運送の需要者の名称変更等)
自家用貨物自動車の違法な営業類似行為(白トラの利用等)はないか
名義貸し、事業の貸渡し等はないか
2,帳票類の整備・報告等 事故記録が適正に管理され、保存されているか
10 自動車事故報告書を提出しているか
11 運転者台帳が適正に記入等され、保存されているか
12 車両台帳が整備され、適正に記入等がされているか
13 事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか(本社巡回に限る)
3,運行管理等 14 運行管理規定が定められているか
15 運行管理者が選任され、届出されているか 5両未満の霊きゅう自動車や一般廃棄物収集に使用される自動車を管理する営業所は該当しません
16 運行管理者に所定の講習を受けさせているか
17 事業計画に従い、必要な運転者を確保しているか
18

過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩時間、
睡眠のための時間が適正に管理されているか

18 過積載による運送を行っていないか
19 点呼の実施及びその記録、保存は適正か
20 常務等の記録(運転日報)の作成・保存は適切か
21 運行記録計による記録及びその保存・活用は適切か 運行記録計装着義務車両がない場合は該当しません
22 運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か 2泊3日以上の運行等の中間点呼が必要な運行がない場合は該当しません
23 乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか
24 特定の運転者に対して特別な指導を行っているか 過去1年以内に事故を引き起こした者や新たに雇い入れたもの・高齢者(65歳以上)に該当する運転者がいなければ該当しません
25 特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか 過去1年以内に事故を引き起こした者や新たに雇い入れたもの・高齢者(65歳以上)に該当する運転者がいなければ該当しません
4,車両管理等 26 整備管理規定が定められているか 5両未満の営業所は該当しません
27 整備管理者が選任され、届出済か 5両未満の営業所で選任していなければ該当しません
28 整備管理者に所定の研修を受けさせているか
29 日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか
30

定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存
されているか

5,労働基準法等 31 就業規則が制定され、届出されているか 労働者が常時10名未満の営業所は該当しません
32

36協定が締結され、届出されているか


法定時間外労働及び休日労働が全く発生しない場合や同居の親族のみや役員のみで経営している場合は該当しません
33 労働時間・休日労働について違法性はないか(運転時間を除く)
34 所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか
6,法定福利費 35 労災保険・雇用保険に加入しているか
36 健康保険・厚生年金保険に加入しているか
7,運輸安全マネジメント 37 運輸安全マネジメントの実施は適正か
 


以上が巡回指導でチェックされる38項目になります。
38項目中、赤文字9項目は重要項目になり、9項目中1つでも否がある場合、A.~E.のランクが1段階下がりますので、他の項目以上に重要と言えます。


38項目中の重要9項目

項目番号 項目
15 運行管理者が選任され、届出されているか
18 過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩時間、睡眠のための時間が適正に管理されているか
19 点呼の実施及びその記録、保存は適正か
23 乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか
24 特定の運転者に対して特熱な指導を行っているか
25 特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか
27 整備管理者が選任され、届出済か
30 定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存されているか
34 所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか

3,巡回指導時に準備するもの


2,巡回指導についての巡回指導のチェック7区分38項目の適・否を判断するにあたり、準備する資料は下記の通りです。
下記の資料は確認用にお使いください。




巡回指導事前準備資料

区分 書類名
1.認可申請書関係 登記簿謄本等
一般貨物自動車運送事業経営許可申請書
事業計画変更事前認可申請書
事業計画変更認可事前届出書
事業計画変更事後届出書
役員変更届出書
2.帳票類の整備・報告等 事故記録簿
自動車事故報告書
運転者台帳
車両台帳
事業報告書・事業実績報告書
3.運行管理等 運行管理規定
運行管理者選任・解任届出
運行管理者資格者証
運行管理者講習手帳
運転日報
運行指示書
運行計画及び勤務割当表
運転記録計の記録 デジタコ等
乗務実績一覧表
点呼記録簿・点呼執行要領
運転者への指導教育計画表・記録簿
適性診断結果表 NASVA
運転記録証明書
無事故無違反証明書
4.車両管理等 整備管理規定
整備管理者選任・解任届
整備管理者資格者証
整備管理者研修手帳
日常点検基準
日常点検表
定期点検基準
点検整備記録簿(3ケ月・12ケ月)
5.労働基準法等 就業規則
36協定書
出勤簿
健康診断結果
6.法定福利費 労災・雇用保険加入台帳
健保・厚生年金加入台帳
賃金台帳
7.運輸安全マネジメント 運輸安全マネジメントに関する公表資料
▼以下、200両以上所有事業者のみ該当
安全管理規定
安全統括管理責任者選任届出書
安全管理規定設定届出書

4,まとめ

巡回指導にあたり準備する資料は膨大なものになりますが、事業を運営するうえでどれも大切なものばかりです。
もし資料が欠けている場合は、やっていないことになりますので必ず準備する必要があります。
数年後から導入される許可更新制も今まで積み重ねた証明書類の管理が大きく関係しますので、準備がお済みでない事業者様は今からひとうひとつ確実に準備していかなければなりません。


私自身、運送業出身の行政書士ですので、巡回指導事前相談、当日立会いなどの様々なお手伝いをさせて頂いております。
巡回指導・運行管理など運送業全般のご相談をお気軽にしていただければと思います。どうぞ宜しくお願い致します。               




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